FC2ブログ

ほんまにオレはアホやろか

かの鬼太郞の作者、水木御大の生い立ちを綴った自叙伝的エッセイである。
イメージ 1

自由奔放なガキ大将時代から学校やら様々な仕事で落第や失敗を繰り返し、激戦地ラバウルへの従軍を経て、漫画家に到るまでを、(本当はもっと深刻で大変な人
生であったであろうが)それこそ駆け足で物語は進むので、さらりと読み流すことができる。
なにしろ、爆弾で片腕を失った時も「あーっ」の一言で片付けるので拍子抜けしてし
まうのだ。
このエッセイの最後で水木御大は戦時中に友達になった土人の村に30年ぶりに訪れることになるのだが、その当時と全く変わらない彼らの姿と生活を目の当たりにして、

「年なんかどうでもいいんだ。人間だけが時計なんかつくって自分で自分の首をし
めているんだ。」
「急ぐことは死につながり、ゆるやかに進むことは生を豊かにする。」
「競争しなければバカになるとおびえることはない。」
「人間は元来、鳥、けもの、虫けらと、おなじものなのだ。」

と、悟りを新たにする御大のそれまでの(それからの)生き様が示されているのが
心に染みる。

↑